
Parkerの意欲作日本上陸
2024年明け直後に発売されたParkerの片刃カミソリ「solo edge」
現在国内の専門ショップ「コジャック」で5,000円で入手可能です。 様子を見ていましたが初期製造分はあっという間に売り切れ、コミュニティでも評判がいいので今回入手してみました。
片刃カミソリについて
本製品は両刃カミソリの替刃を半分に折り、片刃だけホルダーに装填して使用します。
その利点としては、シェービング中にくるくる回しながらシェービングするサイドをチェンジする面倒がありません。また、ヘッドの奥行きが短くなるので鼻の下などが剃りやすくなると言われています。

重量は90gとずっしりしています。ヘッドキャップ部と本体の2ピース構造でつや消しの本体は5千円のホルダーにしては高級感を感じます。ステンレス製ではなく、真鍮にメッキの素材を使用していますが質感はかなり高く感じます。

両刃カミソリの替刃を半分に折り曲げて装着します。 替刃を折り曲げて切断したとき、切断部が僅かに『めくれ』があり、これが装着時に影響する気がしたのですが、ベースプレートにマグネット処理がされており、ピッタリ密着する上、ヘッドキャップの締め付けが充分あるので、特にヘッドキャップが浮いていたりするようなことはありませんでした。
替刃の保持も、刃先を窪にはめ込むような構造なので、水平がずれるということもなさそうです。
シェービング開始
さて試してみましょう。
まず洗面所剃りで試します。替刃はGillette ASTRA Platinumを使用します。
ヘッド部が小型なことが理由でしょうがウェイトの中心はハンドルの中央にある感じがします。ですがハンドルの持ち方をハンドル終端部に寄せることによりヘッドに重量をかけることは可能です。
ハンドルの刻みがあるので持ちにくいということはありませんでした。ホールドしやすいです。
攻撃性はミディアム-アグレッシブ、Rockwell6CでいうとR5のプレートと同様な印象です。
装着したGillette ASTRA Platinumでは少しキツい印象を受けました。
このカミソリは典型的な「ヘッドの重量で剃っていくタイプ」だと思いました。
理由としてはアグレッシブ方向へブレードギャップを振っているため、本体重量だけで剃るのが丁度良い塩梅になっているからです。
前述の通りparker soloedgeは2ピース構造なので、この設計は妥当だと感じました。ハンドルを交換することでバランスが崩れることは良くないと考えたのでしょう。
反面上記のような理由でそこそこ重量があるので、軽快な取り回しという感じはありません。
加えて一般的論では、片刃カミソリは「鼻の下が剃りやすい」と言われてますが、特にその印象はなかったです。
そう思った理由としては、ベースプレートとヘッドキャップが替刃全体を覆う構造のため、替刃の両端とヘッドが同等の幅になるため、ヒゲを剃るときに替刃の有効切断部がヘッドの幅より内側にあるためです。
ですのでヘッドの両端ギリギリまで刃があるわけではないわけです。
これは最近の流行でもあるのですが、替刃の両端がヘッドからはみ出しているヘッドは嫌われる傾向があります。
ですので最近のヘッドは替刃の両端がヘッドからはみ出さない構造のものが多くなっています。
これはメリット、デメリット両方あると思うのですが、鼻の下を剃る場合はヘッドの端ギリギリまで切断できたほうが剃りやすくなります。
デメリットは替刃の両端がどこかに当たって痛い思いをすることがあるというところです。あと見てくれが悪いのかも知れません。
自分は両端が出て、ヘッドの端まで剃れた方が便利だと思ってます、両端が出ていることで痛い思いをしたことが無いので言うほど気にしてないのですが、わざわざ両端をハサミで切り落としている人も居るようですので人によると思います。
一方、ミディアム-アグレッシブヘッドの効果で効率は良いです。
神経質にストロークを何度も繰り返さずとも、普通に3パスすれば1パス目で多少剃り残しがあったとしても、3パス目までにきちんとヒゲを刈り取ってくれているので、シェービングの時短化が可能で高効率を感じます。
シェービング経験値が浅い方はいつまでもストロークを繰り返して最後は肌がヒリヒリする傾向があるように感じていますが、それを経験済みの方にとってはこのブレードギャップが選択されている訳を好意的に解釈できるのではないかと思います。
総合評価
趣味性の高いモデルだと思います。
5千円というプライスでこの仕上げなら充分高性能です。値段以上の出来上がりだと思います。
ヘッドをくるくるしながらシェービングしないで済むというのは面倒くさくないという利点はありますが、厳しく言うとそれだけとも言えます。
替刃の寿命が半分になりますし、良い面、悪い面、両方を持っていると思います。
ただし、シェービングが楽しくないかと言われれば充分楽しいので、両刃カミソリを複数本所持していて、コレクションのバリエーションを増やしたい方には最適だと思います。
恐らく、ヘッドギャップがミディアム-アグレッシブに寄せているのもそういう意図ではないかと思います。
この感触から自重でシェービングするスタイルに切り替えて、替刃はやや優しいものを選択するということが自分で判断できる方向けでしょう。マニア向けに作ってあると思いました。
品質は上々です。ブラス+メッキ製品で、これが5千円で入手出来ることを考えると、ここまでの品質を生産できるParkerはレベルが高くなったと思います。一昔前のParkerは精度のバラツキがあって良し悪しでしたが、確実に品質は向上している印象を受けました。
主観的感想
個人的にはこれを常用するかと言われれば少し迷います。
恐らくうにぞうのお気に入りの「Treet DURA SHAP」替刃だと上手く剃れそうなのですが、ASTRA Platinumだと切れすぎたので替刃は選んで使用しないといけません。また、特別鼻の下が剃りやすいわけでも無かったので使用する場面を現段階ではイメージできません。
この価格でこの品質なので、コレクションとしては充分合格なので買って後悔はしてませんが、この先使用頻度としては低いかもしれません。
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