Parker 78R レビュー
- うにぞう(げんげん)
- 2024年6月5日
- 読了時間: 6分
更新日:5月29日

今回はパーカー78Rです。ユニセックスを謳って「女性も使える」両刃カミソリという事ですがそれはどういった意味なんでしょう?ハンドルが細いから?それとも剃り味がマイルドなのでしょうか?そのあたりに興味湧きます。
最近はアグレッシブ寄りのモデルばかりで剃っていますのでそろそろミディアム~マイルド系だと個人的にも肌休めできそうなんですが。さてどうでしょうか?
仕様
材質:真鍮無垢フレームにサテンクローム電気メッキ 寸法・重量: 10.1cm 82.2g
価格: 4,400円(Kojcack Razor)
外観

ヘッドキャップは替刃がはみ出さないように両端が大きくカーブして替刃の両端を覆い隠しています。
ネジ部に電気溶接跡があるので、削り出しというわけでもないようです。しかし価格を考えると非常に丁寧な加工です。Pakerの古いモデルと比較して、最近のモデルはとてもキレイな加工をしています。同価格帯では群を抜いています。
ハンドルのローレットは爪ヤスリに使用できるほどしっかり刻まれていますので濡れた手でも滑り落ちるリスクは少ないと思います。細いハンドルですが非常に持ちやすく造られています。
レビュー
攻撃性:★★★★☆☆ 効率: ★★★☆☆☆
安全性:★★★★★☆
【Gillette ASTRA superior stainless(青)での感想】
太いヒゲの人向けの入門用に使えそうです。
Parkerにしては非常に優しいモデルというのが第一印象です。
細いハンドルに似合わずしっかり重量があるので『自重で剃る』シェービングは可能、また慣れていないうちは長めのハンドルのほうが扱いやすいのでグッド。
ベースプレートもそこそこ排水が良いので泡切りも悪くないです。
マイルドかつ、非常に安心してシェービングできます。カミソリの怖さ的なものを感じる機会が少ないです。
アグレッシブ過ぎると扱いづらくなると思いますが、このモデルならば肌を切る危険性をカバーしてくれるように思います。
今回はアストラ青を使用し、モデルによっては非常に鋭く感じる替刃ですが、78Rで剃った場合はかなりマイルドに感じました。恐らくフェザーハイステンレスで剃ってもある程度優しくなるのではないかと思います。
一方、『深剃り』したという感覚はなかったです。効率性に関しても普通という印象です。
シェービング直後ではツルツルになっていますが、半日位するとザラザラ感がスラントやアグレッシブヘッドの両刃カミソリと比較して多いです。見た目的にヒゲが目立つほど伸びたりはしていないので、太いヒゲの人でも毎日シェービングするなら問題ない範囲で剃れます。もう10年くらい使用してませんが、特に高級でもない普通の電気シェーバーやT字カミソリなんかはこんな感じで剃れていたと思います。
細いヒゲのユーザーでも安全性が高いので、PERSONNAやSHARKあたりのマイルド替刃を使用すれば楽しめそうです。外観がおしゃれだし、色も3色から選べるので良さそうです。
自分にとってはミディアムヘッドと言えばメルクール34Cでしたが、正直甲乙つけがたいレベルです。耐久性については34Cは検証できていますが、こっちは新しいモデルですので現時点では不明なのが残念ですが、加工は悪くないのでそこそこ長持ちするのではないかと思います。日常使いのモデルとして安心感のようなものを感じます。
正直、ヒゲの太いうにぞうとしてはもうひと声攻撃性があっても良いと思う気持ち反面、二日酔いとかで寝ぼけてヒゲを剃る場合は78Rを手にする自分が想像できます。
ですので、34Cのロングハンドルバージョンと考えてもいいのかな?と感じました。
激安両刃カミソリの場合、こういったロング&スリムハンドルのモデルはアルミ製の軽量ハンドルになっている場合が多いです。何故ならば、アルミは柔らかい金属ですので削るのが簡単なため加工がし易いからです。
78Rは見かけによらずズッシリしています。真鍮削り出しクロームメッキの利点であり、真面目にコストを掛けているのだと思います。基本の「自重で剃る」がしっかり実用できます。
にも関わらずメルクール34C(7~8千円位が相場)よりはちょっと安くなってます。
以前は安く買おうとすると、34Cは諦めて33Cにしようってパターンがあったと思うのですが、78Rがまだ安いのでこっちを入れるというのもアリなのではないかと思いました。ミューレR89やエドウィンジャガーDE89はマイルドヘッドなので入門用だとしても太いヒゲにはちょっと不利でした。理論上マイルドヘッドでも太いヒゲは剃れるんですが実用上はちょっと辛いのが正直な気持ち。なので選択肢が増えるのは嬉しいです。
ユニセックスという意味不明なサブネームは置いといて、マニアにとっては面白みは少ないですが、実用性が高く常用に向いているモデルと感じました。
※2025年5月29日追記
入門用として非常に優れています。
10ヶ月後の追記です。
今回、EDWINJAGGER DE89、Melkur 34Cと比較を書いていこうと思います。
DE89はウルトラマイルド、34Cはミディアムの攻撃性で若干差異がありますが共に入門用として人気があります。
ですが両モデルとも登場から20年以上経ち、詳細にこのモデルたちを観察すると設計の古さが見られます。
もちろんキチンと作ってある両モデル、耐久性などは上々です。しかし、ヘッドから替刃がはみ出す構造であったりメッキの方法が古かったりします。
ParkerはValiantを登場させて以降、工作が非常に良くなりました。最近のモデルは電気メッキを施され、ネジ部も真鍮無垢構造、サビの浮く余地も最低限に抑えられ、加工においても非常に精緻であり同価格帯の他のものと比べても完成度が高いです。実際78Rと比較するとDE89もR89も完成度が一歩及ばずです。
加えて一つの事実があります。
欧米人と比較して日本人、アジア人のヒゲは平均的に硬いです。特にDE89はウルトラマイルドな特性からその事実により効率性がやや劣るため、ヒゲの硬めなユーザーが使用した場合ストローク数が増え肌に負担をかけてしまいます。
このあたり実際どうなのだろうとDE89と78Rを詳細に比較しました。
硬いヒゲの自分であっても両モデルともツルツルなBBSに仕上げることは可能でした。
ですがやはり78Rのほうが必要なストロークは少なかったです。
加えて安全性の差異は誤差範囲にしか感じませんでした。
自分の入門モデルはMelkur34Cでした。
予め調べたところ、ヒゲの硬い自分には34Cが適していると考えたからです。
そのことからミディアムモデルを入門用とすることは実際可能です。
安全性が高いに越したことはありませんが、両刃カミソリはどの道、熟練しないと上手く使いこなせないのも事実です。であるならほとんど誤差のような安全性の差を気にするよりミディアムモデルで始めるのも効果的でないかと言うのが自分の意見です。
DE89、34Cは確かに歴史に名を残す名機です。
ですが自腹切ってせっせと色んな両刃カミソリを買い漁っている自分の目から見ると、そろそろ設計の古さを感じます。78Rと比較したら労せずその仕上がりの良さを実感することが出来ると思います。
仕上げももちろんですが、安全性も高くDE89、34Cより安く入手することが可能です。
であるなら、自腹レビュアーのぶっちゃけた感想として78Rをむしろ推していくべきではないかという感想を持っています。
価格、クオリティ、攻撃性、効率のバランスが取れていて、入門にふさわしいモデルを他に見つける機会が、今後もあるかもしれませんが、今のところ自分のレビューした中では78Rを入門用としてイチオシしたいと思いました。
お聞きしたい事がありまして
こちらのホルダーとtreet dura sharpの組み合わせを試されたのであれば
感想を頂けたら嬉しいです
メルクール34C等の亜鉛合金より真鍮製な分78Rの方が長期的に耐久性がある感じでしょうか?
参考になりました。本モデルも良さそうですね。メルクール34cと比べますと、深ゾリと効率の観点からしますとズバリどちらになりますでしょうか?